Establishment of Pharmaceutical Supply Chain after the Great East Japan Earthquake



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Establishment of Pharmaceutical Supply Chain after the Great East Japan Earthquake

東北地理学会東日本大震災報告集
2011.06.03
Tsutomu NAKAMURA, Postdoctoral fellow, The Univ. of Tokyo
Email:nakamura(a)humgeo.c.u-tokyo.ac.jp

   本研究は,東日本大震災発生後に必要な医薬品の供給ルートをいかに確立したのか,医薬品ニーズに関する情報収集と配送手段の確保に注目して検討する。聞き取り調査は3月下旬~4月下旬にかけて大手製薬企業,倉庫業者,医薬品卸,厚生労働省に対して行った。
   医薬品の受取先は医療機関や薬局であるが,岩手県,宮城県,福島県の沿岸部を中心に津波などで被災した薬局や医療機関が多い(Fig. 1)。
Fig. 1 Disaster-affected Facilities of the Coastal Regions
Note: 1) Iwaki City means Taira, Uchigo, Yotsukura, Hitachi, Onahama and Nakoso District.
        2) SMA stands for Secondary Medical Area.
Source: 1) Survey by Japan Pharmaceutical Association (as of Apr. 26, 2011)
           2) Asahi Shimbun dated Apr. 24, 2011

   医薬品の供給ルートは,平常時と同様にして,医薬品卸を経由して医療機関や薬局に配送されるタイプと,製薬団体によって救援物資として避難所に無償で提供されるタイプに分けられる(Fig. 2)。

Fig. 2 Pharmaceutical Supply Chain after the Great East Japan Earthquake
Source: Interview and related news

   大手医薬品卸は被災した支店や物流センターに代わって,被災地外から医薬品を供給する体制を実現した。加えて,配送車の燃料不足を回避するため,岩手県内の医薬品卸7社は共同配送を実施した。3月14日,岩手県の依頼を受けた岩手県医薬品卸業協会の要請を受けて,加盟卸7社は花巻市の物流センターを共同集積所として,県内3地区に1日1回,共同で医薬品を配送した。
   一方,日本製薬工業団体(製薬協)など業界団体は対策本部を設置し,必要な医薬品を届けるための配送手段の確保に努めた。無償提供の医薬品は,3月16日,日本医師会の依頼を受けて製薬協加盟の製薬企業を通じて空路および陸路で(Fig. 2),3月18日,厚生労働省の依頼を受けてチェーンドラッグストア協会とOTC医薬品協会を通じて水路で,3月23日,岩手県,宮城県,福島県の供給要請を受けて,製薬協加盟の製薬企業を通じて陸路でそれぞれ配送された。
   一方,一連の対応について,厚生労働省は現地の医薬品ニーズの情報収集に時間を要したこと,2000年代以降,物流業務を専門倉庫会社に委託する製薬企業の動きが広まり,サプライチェーンの管理主体が不在になったことが,限られた配送手段の活用と物流量の変動への対応に支障をきたした原因の一つとして挙げられた。


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